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艦これ(艦隊これくしょん)の攻略動画

【艦これMMD】鈴谷でLastResort

投稿日:

作:YK
最近思ったこと。
ニコ動にも動画を出そうとしたけど、3GBまでの動画しか投稿できないという理由で投稿できなかった。ほかにもいろいろニコ動の事調べたら使いにくいと分かった。毎月550円払ってもそれに対する恩恵が感じられない内容。あくまで俺が思った事。

創作:慄
         恨みを果たすまで
         12.悪魔の誇り①

 ハヤノは敵と相対したときに違和感を感じていた。
 ルイナが目を覚ました時点で外に複数の巨大な魔力を感じていた。酒場の壁を引きはがされたときに顔を覗かせたのは、目の前に立ちはだかる巨大な蜘蛛の全体を覆う光の靄の様なものが、壁を引きはがした目の前にいる蜘蛛の頭上に向かって紐の様に伸びていたからだ。
 2人の敵が姿を現した時にその光の紐が2人が手首に埋め込められている赤い石につながっている。彼が目にしている光の靄の正体は魔力そのもの。彼は魔力を形あるものとして見ることが出来る。故に2人から魔力を感じるどころか見ることが出来なかったことに違和感を感じた。
 戦闘終了直後に2階から飛び降り、2人の亡骸を調べ始める。2人は服で隠れた肌の部分も含めて全身がつぎはぎだらけ、エリナが切り裂いた女に目を移す。切り裂かれた部分から燃え残った臓物などが垂れ下がっている。切り裂かれた部分をさらに切り開き、腹部奥にある損傷の少ない臓器を探す。
 あまり損傷のない臓器を見つけた。その臓器はエリナが攻撃をする前から外部からの因子によって既に黒ずみ、皮膚同様につぎはぎの後もあった。この2人はこの2人が属しているであろう組織は異常だと確信した。2人の手首についたひし形の赤い石は灰に姿を変え、手首の先を黒く染めていた。得られる情報はないと酒場の中に戻った。
 酒場の1階はトキが風の壁で守っていた為にほぼ無傷の状態で残っていた。そこに村人も降りてきていた。村人たちは自分たちにかかる人災から緊張感からようやく解放され、その安堵感から壁にもたれかかると同時に眠りの中に落ちる者などがいた。

 「すいません、うちの攻撃でこの酒場を半壊状態にさせてしまって。」

 ハヤノは第一声に謝罪の言葉を述べた。その言葉に対して30人の中でも最年長であろう白髪の老人がハヤノの前まで歩き同様に頭を下げた。

 「貴方が頭を下げることはありません…儂らを救ってくださったんじゃ…それだけでも…それだけでも…」

 老人はハヤノに寄りかかるようにして倒れた。服で隠れた老人の全身は小枝の様に細かった。歳、体力の限界、飢餓により生きているのがやっとの状態だった。

 「じいさんはな…そんな体でも俺たちの事を気遣って…食料を分けてくれてたんだ…要らねぇっていっても…諦めなければ助けが来るって…飯を譲る理由になってなぇって話だ…」

 「ハンスさん…」

 「本当にありがとうな…ハヤノさん」

 彼の名前はハンス・パウル。両の右手と右足を失った男だ。
 ハヤノがここへきてすぐの事、ハンスは2階からずっと様子を見ていた。ルイナが外に出て言った直後に倒れる音が彼の耳に聞こえた。嫌な予感のしたハンスは、ボロボロになった義足を引きずり、壁に立てかけてある剣を取って外に向かおうとしていた。
 彼が階段を下りる前に酒場の門が開く音が響く。酒場の中にいた村人は身を寄せ合った。

 「あ、あの~…すみません、誰かいませんか?」

 その声は若い男の声だった。その声からも気配からもハンスは敵意を感じ取れなかった。それでも警戒は緩めずいつでも反撃できる姿勢を崩さない。

 「兄さんどうしたの?中入らないの?」

 「それが中に誰もいなくてどうしようか迷ってるんだよね?」

 「マスターオレンジジューチュ!飲みたいのです!」

 「人がいないの!とりあえず、村全体を探してみるか…」

 聞こえてくる声は全て子供のもの。
 ハンスは長老に目を向け、長老は首を縦に振った。それを合図にハンスは戦闘態勢を解き、ゆっくりと階段を下りてハヤノ達の前に姿を現した。そこにいるのは20歳にも満たない子供達ばかりだった。ルイナはハヤノに御姫様抱っこされた状態だった。

 「あ、あの…この女性いきなり倒れてしまったんですけど…どうすればいいでしょうか?」

 「…すまない…2階に運んでくれないか…俺にはどうにもできない…」

 「…はい、分かりました…トキ!リライナ!子供連れてきて!」

 ハヤノはハンスの状態を見た、言うとおりに皆を連れて2階へと進んだ。
 そこにいた村人を見て柔らかい表情だったハヤノ達の表情が固まった。そこにいるのは全身にひどい痣が残っている子供や老人ばかりだった。ハンスの様に動ける大人はハンスを入れて5人程度、その者達も手がなかったり片目がなかったりと悲惨な状態だった。村人がハヤノ達を見て浮かべた表情は恐怖に染まったものだった。

 「すまないな…ルイナは床に寝かせてくれ…ベットも布団も何もないんだ…」

 「分かりました…」

 静まった空間に恐怖心が張り詰めている。ルイナを下ろして状況を聞こうとした時に階段をものすごい勢いで駆けあがってくる音がする。音の原因はトキだ。

 「もう!ハヤノおいていかないでよ!」

 「ト、トキさん!抱っこしてるのに走っちゃだめですよ!」

 「大丈夫だよ!僕の上ではもふもふってことで人気あるだよ!」

 「そういう問題じゃないんですよ!って…あ、あれ…」

 リライナはその場の空気と今の自分たちの空気の寒暖差に気が付き、額から汗が出た。状況がつかめずにあたふたしていた。

 「すまないハーピィさん、その子供をルイナの横に寝かせてくれないか?」

 「ん?分かった!」

 ハンスは元々自分が座っていた椅子に腰かけ、森に目を送った。

 「座った状態ですまない…本題に入る前にあんたたちに聞きたいことがあるんだが…森の糸を燃やしたのはアンタたちの仕業なのか?」

 「それなら私がやったよ?もしかしてダメだった?」

 「いや…逆に助かったよ。ありがとう…それともう1つ…アンタたちが連れてきた子供以外にほかにいなかったか…」

 「誰もいませんでした」

 「そうか…でも…思いが届いたようでよかったよ…」

 ハンスは彼らに背中を向けながら静かに涙を流した。5人はさらに状況がつかめずに顔を見合わせた。

 「旅の御方よ…私が…今…この村に起こっておる状況を教えよう…」

 この村は今から200年ほど前にできた村、それ以前は盗賊などを生業として生きていた。先祖は、森の中で通りかかる者達を人質にしたり、遠くにある小さな村などを襲っていたとのこと。近くの国の憲兵などに襲われた後に殆どの者が隠居生活を送ることにした。だが、ごく一部の者達だけが盗賊業を辞めずに姿を隠していた。
 そして1年前に事件が起こった。村を襲った賊の正体は過去に姿を隠した盗賊の子孫達だった。盗賊たちの一族は村人も含めて魔法が使えない人間たち、盗賊が姿を現した時にハンス等は言葉を失った。魔法を使えないはずの者達が強大な魔力を扱い、巨大な蜘蛛の様な魔物を数十体も引き連れていたからだ。
 村人たちもただ見ていたわけではなく、村を死守するために戦った。盗賊の頭、その周りを守る者達数名も単体で魔法を使え、その魔法に抗うことが出来ずに戦闘に参加した殆どの者が殺されてしまった。ハンスの様に生き残った者達は見せしめの為に生かされただけの事。反乱を起こせばハンス等の様に失うと。
 ハヤノ達は話し合い、関わったことも何かの縁ということで事件解決に手を貸すことにした。すぐに戦闘に出ることはなく、村人たちのやせ細った体をみて食事を提供することにした。
 ハヤノが右手を前に出すと空間にハヤノの手が吸い込まれるように消えた。直後にハヤノが手を上から下に大きく動かすと光の空間が出現した。
 それはハヤノが自分の魔力で作り上げた簡易的な固有結界、ハヤノはそこに常にひと月分の保存食を保管している。殆どの物が長期的に保存できるように缶詰パンやお湯などで食べることが出来る米類、大量の水などになっている。
 
 「肉などはありませんが、カレー味みたいに味が付きがあるのでみんなで食べましょうか。」

 「いいんですか…?」

 「大丈夫ですよ。ここで見捨てては寝覚めが悪いですからね」

 ハヤノが提供した食事を頬張るように食べていた。

 「ルイナさんの食事道するの?兄さん」

 「とりあえず用意しといて俺とリライナで体調管理しとくからさ」

 「はいは~い」

 危険な状態な中でもハヤノが提供した温かいご飯は村人たちの冷え切った心に光を射した。それから様々な話を聞いている間に時間が経ち、気が付けば辺りに夕焼けに染まっていた。ルイナが起きる前に敵が姿を現し、起きた直後に戦闘が始まり、彼らの強さに村人全員が希望を抱いた。
 戦闘終了後、村から離れた場所にある廃教会の中で全長2メートル、全身に深い切り傷、目に十字傷のある男が祭壇のあった場所に腰掛けていた。

 「あのごみどもが…あいつらの部下は皆殺しにしろ。カスはいらん」

 「のお族長よ」

 「なんだ?」

 「反乱を起こした村には俺が行こう…ハンスの野郎は俺が殺したいんだ…いいだろ?」

 「勝手にしろ…」

 祭壇のある場所以外は濃い影に吞まれている。その中に潜んでいた男が笑みを浮かべて気配を消した。そしてその者は村を見渡せる離れた丘でハヤノ達の姿を双眼鏡で見ていた。

 「なんだ…糸が全部消えてる…あの外部の奴らが原因か?まぁいい…存分に味わえ最後の晩餐をな……な!?」

 ほんの一瞬、ハヤノと目が合ったように感じて双眼鏡から目を離した。目が合った瞬間に感じた恐怖心は気のせいだと思い込み、立ち上がった瞬間に首が跳ねとんだ。

 「え?」

 「僕…君みたいな力で何でも従わせようとする人…大っ嫌い」

 トキがいつ自分のもとに来たのか気が付けなかった。首が跳ね、痛みを感じる前に男の体はミキサーにかけたように粉みじんになった。しばらくトキは男の体だった血肉を見下ろしハヤノ達の下へと戻った。

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