『艦娘＆艦船図鑑』第２０回です。今回は、艦これに登場する球磨型軽巡洋艦５番艦の木曾を投稿しました。
トレードマークの眼帯や改二時のマントが目立つ海賊っぽさもあるちょいワル感の木曾は、『太平洋戦争（第二次世界大戦）』が勃発後に『真珠湾攻撃』から帰投する南雲機動部隊の援護として姉妹艦である２番艦の多摩と共に出航しましたが、機動部隊とは合同出来ず、１９４１年１２月１８日に北海道の厚岸町に帰着しました。この時、荒天で損傷した事から２隻は横須賀へ向かって修理を受けました。
１９４２年２月以降はアメリカ機動部隊出現時の『マーシャル ギルバート諸島機動空襲』や『ニューギニア沖海戦』等で哨戒任務に従事していました。同年４月１８日にはアメリカ海軍の空母『ホーネット』による『ドーリットル空襲』によって東京が空襲を受け、翌日１９日に爆撃により大破した監視艇『第二十一南進丸』を木曾は乗員収容後に砲撃で処分しました。
６月３日〜７日の『ＡＬ作戦』では『キスカ島』と『アッツ島』の占領に成功し、その後の『アリューシャン方面の戦い』では哨戒任務や輸送任務に従事しました。しかし、度重なるアメリカ海軍のキスカ島とアッツ島奪還の砲撃や１９４３年２月２０日に日本海軍の輸送艦『あかがね丸』を空襲で撃沈する等の影響、『アッツ島沖海戦』、『アッツ島の戦い』といった戦いで不利に陥り同年７月の『キスカ島撤退作戦』に木曾は参加して兵士達共に『アリューシャン列島』を去る事になりました。
その後は、内地や陸軍部隊の輸送任務に従事する木曾でしたが、１０月２１日に『ニューアイルランド島』の『セント・ジョージ岬』の北東４０浬でアメリカ軍の空襲を受けて、一番煙突右舷附近に爆弾１発が命中し、一時航行不能になるピンチを迎えます。なんとか復旧に成功すると、睦月型駆逐艦４番艦の卯月ちゃんやラバウルから救援に駆けつけた白露型駆逐艦６番艦の五月雨ちゃんと共にアメリカ軍の戦闘機の攻撃を撃退して同日正午前後にラバウルに到着し、消化に成功しました。
応急処置が行なわれると、木曾は同月２８日にラバウルを出発し、『トラック島』へ戻りました。１１月１０日に帰国して舞鶴へ入港すると、１９４４年２月末まで本格的な修理を行ない、１４cm主砲の５番・７番砲を撤去して１２・７cm連装高角砲１門と機銃の増備も行なわれました。
その後は、『父島』への輸送や練習警備艦としての任務に従事したり、マニラ方面の作戦にも参加しました。そんな木曾は、１１月１３日にマニラ湾に停泊中にアメリカ軍の戦闘機による空襲で大破着底してしまいます。
しかし、上甲板が水面上に残っていたので、沈没とは認定されずに防空砲台として活用されました。そして、１２月１０日に予備艦に指定された木曾は、１９４５年３月２０日に軍艦籍から除かれました。
戦後は、マニラ湾に放置されたままでしたが、１９５５年〜１９５６年にかけて浮場解体されました。深手を負わされて、実質上轟沈に近い状態でも浮砲台として戦った木曾は、軍艦の鑑と呼んでも過言でも無いかも知れませんね。
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