ゾイドワイルドIB 訛り実況
第二話 「追憶の鰹節」
先日の初任給で遊技台を嗜むおじさんの元に一本の電話――。
「“いぬ”が野山で暴れている。
住民の安全を守るため早急に保護してほしい。」
相棒の“いぬ”と共に現地へ赴き、見事に“いぬ”を手懐け保護を完遂させたおじさん。
しかし息つく間もなく仕事の依頼が舞い込んでくる。
「家畜の“うし”が暴れている。
牛舎が壊される前に捕獲してほしい。」
保護したばかりの“いぬ”を連れ、“うし”の捕獲へと向かうおじさん。
目の前に現れたのは、それはそれは立派な角を携えた雄牛だった――。
「あっ…、あの角は…！」
突如として幼少期の記憶が蘇る。
そう、それは若かりし頃の、今は亡き母との思い出――。
削る前の一本物の鰹節を「牛の角」と言って母から見せられ、小学校高学年ごろまで鰹節は牛の角だと思い込んでいたあの頃。
鰹節はカツオであるという真実を知ったあの日の衝撃。
悲しみの記憶を振り払うべく“いぬ”と共に雄牛へと突撃するおじさん。
その思いを知ってか知らずか、雄牛のいきり立った角が“いぬ”の尻へと襲い掛かる。
そのケツ末や如何に―――。
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