『艦娘＆艦船図鑑』第２２回です。今回は、アズレンに登場するユニオン（アメリカ）所属 ヨークタウン級航空母艦３番艦のホーネットを投稿しました。
フランクな性格で、指揮官の良き友人っぽさを感じさせる上にスタイル抜群で、服装が黒ビキニというセクシーさの彼女ですが、ヨークタウン級としてすぐ建造されたわけではありませんでした。１９２１年に発効された『ワシントン海軍軍縮条約』の影響で、アメリカ海軍はヨークタウン級を１番艦のヨークタウンと２番艦のエンタープライズを建造した後、ヨークタウン級より若干縮小した改良型の空母 ワスプへの建造に切り替わりました。
しかし、条約が１９３８年に失効すると、海軍の増強計画が立てられたので、条約型のヨークタウン級の設計を使って急遽１隻の新造する事が決まりました。こうしてホーネットは、ヨークタウン級航空母艦３番艦として誕生しましたが、条約の制限が無くなったため、排水量を約１００トンにして、全長も約８メートル拡大する等の修正が加えられたから、同じ『スズメバチ』の英語名であるヨークタウン級の次級のワスプと同じく実質上改良型ともされています。
そんなホーネットの名を有名にしたのは、日本本土に初めて空襲を行なった１９４２年４月１８日の『ドーリットル空襲』で、『ジミー・ドーリットル』中佐が指揮した『Ｂ−２５』等艦載機の発艦でした。その後は、同年６月５日〜６日に日本とアメリカの戦況を大きく変えた『ミッドウェー海戦』では、姉妹艦のヨークタウンと護衛をしていた駆逐艦のハムマンを失うも、日本海軍の飛龍型航空母艦１番艦の飛龍を雷撃処分まで追い詰めた上にエンタープライズと共に爆撃で最上型重巡洋艦２番艦の三隈を撃沈する戦果を挙げました。
この勝利でアメリカ側に戦争の有利な状況へと上げたホーネットですが、運命の１０月２６日の『南太平洋海戦』を迎えます。ホーネットの第１次攻撃隊は、日本海軍の翔鶴型航空母艦１番艦の翔鶴さんに４５０キロ爆弾４発を命中させて大破させて、第３次攻撃隊で、利根型重巡洋艦２番艦の筑摩さんを撃退する活躍を見せました。
しかし、入れ違いで、敵機動部隊の第１次攻撃隊に発見されたホーネットは、２５０キロ爆弾３発と魚雷２本、艦爆と艦攻の１機ずつの体当たり等の集中砲火を受けました。被弾による艦内動力損失で、航行不能に陥ったホーネットは、ノーザンプトン級重巡洋艦１番艦のノーザンプトンによる曳航を何度も行われましたが、日本海軍の翔鶴型航空母艦２番艦の瑞鶴等の機動部隊の猛攻により、放棄が決定されます。
最終的に駆逐艦『アンダーソン』と『マスティン』に雷撃処分が言い渡されますが、１８本中９本の魚雷と４３０発の５インチ砲弾でもホーネットは中々沈む事はありませんでした。そこへ『事情許されば、拿捕曳航されたし』の命令を受けた日本海軍の陽炎型駆逐艦１９番艦の『秋雲』と夕雲型駆逐艦２番艦の『巻雲』が接近して来たため、アンダーソンとマスティンはその場を撤退すると、ホーネットは拿捕されかけました。しかし、大破炎上しているホーネットは拿捕及び栄光する事が難しくなったので、秋雲と巻雲に探照灯（サーチライト）で照られ、船体をスケッチされると、スケッチ終了後に１２・７センチ砲２４発と魚雷３発による雷撃処分で撃沈されました。
最期まで抵抗を見せて、囚われの身になる屈辱を味わうより戦場で散る道を見せたのは、ある意味武人に近いかも知れませんね。
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