《金剛家の食卓事情》
私の名前は霧島です。私は後悔しないように常に周りを警戒しながら人生を歩んできて、なるべくお姉様達の力に慣れるように努力してきました。自分の愚かさを正に知らしめる事件が起こるまでは_____________
雲一つない晴れ晴れとし、窓ガラスから差し込む眩い朝日で目を覚ましました。ベット脇に映る私は髪がボサボサで服を崩れちゃってる。私ってね臓悪いんだな・・・。お姉さまたちは全員首元まで布団をかぶって私の布団はベットの下に落ちてた。
少しだけイラつく・・・朝ごはんの準備をしに下に降りる前に金剛お姉様のおっぱいの弾力を確かめた後に料理開始。
一時間程度でみんなの分を作り終えて居間の椅子に座って天井を眺めてると榛名姉さんがぽか~ぽか~とゆったり揺られながら降りてきた。今にも倒れそうだから支えるフリをしながらさり気なくお尻や触った後に椅子に座らせた。
『いつもゴメンネ~なんかお花畑にいるみたい~えへへへ』
榛名姉さんは寝起きが悪い。怒ったりするタイプじゃなくてメルヘンチックな考えしか浮かばなく、まともに会話ができない状態になる。でもお茶とかはゆっくりと飲んでゆっくりと時間をかけて現実の世界に戻ってくる。それまで私は金剛お姉様が買ってきてくれたコーヒーを飲ん見ながらメルヘンチック状態の榛名姉さんと時間を潰していると階段をものすごい勢いで駆け下りてくる音が聞こえた。
『料理作っちゃったの!?』
ドアをものすごい勢いで開けて入ってきたのは比叡姉さんだった。私が作った料理が机の上に並べられているのを見るなり頭を抱えて
『あー!!私が作る予定だった料理をまた先に作られたー!霧島!貴女は早く起きすぎなのよ!』
『しょうがないでしょ?早く起きちゃうんだから』
もちろん意図的にお姉様達より早く起きている。一番初めに比叡お姉さまが起きたら朝から幻覚作用を引き起こすご飯を食べる羽目になる。見た目は普通なのに何故か紫色の毒々しい湯気がでるご飯何って食べたくもない。比叡お姉様には悪いけど今日は秘密で食事専門の家庭教師も呼んでいます。歴戦の中の更に歴戦の勇者と呼ばれている先生を
『ん・・・次は絶対に早く起きて私の手作り料理で以前の様に皆の心を掴んで見せるんだから』
ぐちぐち言いながらも私の作ったご飯を美味しそうに食べてる。比叡姉さまの気配で目を覚ました榛名姉様は何故か私の方をじっと見るなり
『金剛お姉様まだ寝てた?』
『多分寝てると思うけど・・・』
『そっか・・・いってくるね!!』
私と比叡姉さまは寝室に向かう榛名姉様の背中を見つめていた。
『榛名揉み忘れたんだね』
『まぁ、毎日メルヘンチックタイムで起きてくるからしょうがないよ』
『あの子らしいちゃあの子らしいけどね』
何気ない会話の中で姉妹の絆を確信し合う。そして比叡姉さまがいった揉み忘れとは金剛お姉様のおっぱいの事。私たちは金剛お姉様が起きる前に毎日の様にその弾力を確認している。それが私たちの恒例行事である。
『おはようデ~ス・・・いい匂い~!』
榛名姉様と私たち姉妹の憧れでもある金剛お姉さまがやっと私の食事を食べてくれる。毎日毎日食べてもらってるけど何故か嬉しさが薄れず、逆に濃くなる一方。でも唯一許せないのが榛名姉様と金剛お姉様が毎日の様に相席であること。比叡お姉様も同様な気持ちなのか視線が榛名姉様に注がれる。
『霧島、そういえば比叡にはなしたデスカ?』
『ん?なにも聞いてないけど何かあるの?』
金剛お姉様に見惚れてて話すの忘れてた。幾ら秘密にしたくても金剛お姉様にそれを言い忘れるとは不覚!仕方なしに話すとしますかね。
『実は今日、足柄先生を呼んで比叡お姉様の料理スキルを上げてもらおうと考えているんです。私の知る限りは比叡お姉様は暇なはず。だがら問題ないですよね?』
『私に確認も取らずに勝手に話勧める節があるわね。だいだい』
『金剛お姉様に許可はとりました。』
『なら仕方ないね!金剛お姉様!今後の私の更なる料理の発展に期待してください!体がドロドロに溶けるような旨味のものを作ってみせますので』
『オォー!それは楽しみデスネ!!』
2人のテンションが絶好調の時、その隣で私と榛名お姉さまは溜息をついていた。まさか同時にため息が出るとは心は同じの様ですね。
まずドロドロに溶けるようにと言ったけど私たちは比叡お姉様の食事を口にするたびに生死の境を何度も何度も彷徨ってる。金剛お姉様は口に入れた瞬間に気絶するほどの拒絶反応を起こしてるのにも関わらず、その瞬間の記憶はなくなって、毎回笑顔で挑みに行ってる。まるでドン・キホーテの様に
そして私と榛名姉様二人だけで話し合いをした結果、比叡お姉様には酷いと思ったけどお姉さまの食事をとる時は胸に予め書いた遺書を忍ばして挑んでいる。
この後に訪れる足柄先生の為に食器を綺麗に洗い、先生が好きだと言っていたお茶も用意して比叡お姉様の食事が良くなるように私と榛名お姉さまで神頼み。
『2人とも何してるデスか?』
『・・・神聖な儀式です』
『が、がんばるデ~ス』
金剛お姉様に少し引かれました。でも私たちの願いは変わらない。そして四人で借りてきた「永遠の0」を見ている最中に足柄先生がやってきた。インターフォン越しに見える戦背は何処か落ち込んでいた。まさか・・・5回めの合コンに失敗した・・・みたいね。
『鍵空いてますので入って来てください』
『あぁ・・・・・覚悟しろ』
あれ?切れる寸前に何か不気味な言葉を吐き捨てた様に聞こえた。本当に一瞬過ぎて聞こえなかったけど身の危険を感じる。
『やぁ・・・霧島・・・元気そうだな』
『せ、先生も・・・その・・・元気そうで』
『ははは・・・私の何がいけなかったんだろうな・・・』
普段は一切弱音の吐かない先生だけど合コンの後は
別人の様になって机に突っ伏したまま動かくなった。今日は一応、比叡お姉様のスキルを上げてもらうために呼んだんだけど大丈夫かな?とりあえず比叡お姉様を呼んでくるかな。
比叡お姉様を呼んできたはいいものの足柄先生は相変わらず干からびていた。でも連れてきた事を伝えると物音一切出さずにスッと立ち上がって最低限の言葉しか発さない料理教室が始まった。
無言の威圧の中で目で助けてと訴えてきたけどスキル
向上の為に心を鬼にして襖を閉めて2階に逃げ込んだ。永遠の0や呪怨など多くの映画を見続け、気が付けば時計の針は8時を指していた。
3人で台所に向かうとそこに色とりどりの多くの食事が並べられていた。
『これって・・・先生が作ったんですか?』
『いや、全部比叡が作ったんだ。今は疲れてそこのソファーで寝ちゃったけどね。味見もしたからアイツの料理はもう大丈夫だよ。さきに食べたら?』
先生の笑顔がその確実な成長を現していた。私と榛名お姉さまは無意識のうちに手を繋ぎその喜びを密かに共有していた。一緒に食事をとるのかと思ったけど足柄先生は妹達と食事をとるとの事で帰宅した。
その後、比叡お姉様の料理を初めて美味しく食べることが出来て頬を涙が流れる。それほどの事が夢と勘違いしてもおかしくない事が今、この瞬間に起こった。
そして翌日、事件が起こった。それは4人で近くのピクニック広場に行った時の事、散歩など偶然にあった足柄さん達の姉妹方と話し合って時間を過ごし昼時になったとき皆で昼食をとることに
『今日は私の特製弁当だよ!さぁ皆食べて食べて』
この時の私たちは本当に後悔した。お姉さまが食事を作っている時に私たちはある行為を目撃していた。筒状の何かをふりかけているのを・・・そして今までに嗅いだことの無い匂いを・・・
初めは本当に美味しい感触などが口の中に広がった。でも少しして金剛お姉様が一瞬目を丸くして倒れた。この症状は以前の比叡お姉様の料理を食べた時のと全く同じ状況だった。私があっけにとられていると榛名お姉さまがそっと私の手を握ってきた。
『は、榛名お姉さま・・・』
『霧島・・・今までありがとう』
榛名お姉さまの最後の言葉だった。その瞬間に涙を流す暇もなく、全身に銃弾を打たれたかのように痛みが走った瞬間に視界が真っ暗に・・・あぁ・・・罠があるとは・・・思わなかったな。
次に目を覚ました時、そこは寝室だった。隣にはまだ意識を取り戻さないで悪夢の中で魘されている榛名お姉さまと金剛お姉様が・・・
『霧島・・・すまなかった・・・私が教えたばかりに』
ベットの脇で先生が重い顔を浮かべていた。
『大丈夫です・・・比叡お姉様の料理スキルは・・・私たちでは理解できないものなんでしょう・・・神様が与えた異能なのでしょう』
私たちは比叡お姉様の料理に関して触れることをやめた。